ピーター・バークによる「文化史」概説

文化史とは何か

文化史とは何か

「訳者あとがき」によれば、原著は「学部学生向けの歴史学の入門書シリーズの一冊」だそうだが、目次の網羅性を見るかぎり、やはり訳者の言うように「単なる初学者向けの書物ではない」有用性がありそう。なお、バークでは時代の目撃者―資料としての視覚イメージを利用した歴史研究もチェックしておくべきだろう。ここでの「視覚」を、どう「聴覚」あるいは「諸感覚」へと拡張、あるいはずらしてゆくか。あ、『知識の社会史』が積ん読になってるなあ。。

20世紀の音楽とテクノロジー

Music and Technology in the Twentieth Century

Music and Technology in the Twentieth Century

  • 作者: International Committee for the History of Technology,Hans-Joachim Braun,Hungary) Symposium Icohtec 1996 (Budapest
  • 出版社/メーカー: Johns Hopkins Univ Pr
  • 発売日: 2002/07/10
  • メディア: ハードカバー
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1996年ブダペストで開催されたInternational Committee for the History of Technology (ICOHTEC) の記録。Technology and Culture誌の2001年10月号に、 Emily Thompsonによる書評があるらしい。

聞くこと/見ることの考古学

Deep Time of the Media: Toward an Archaeology of Hearing and Seeing by Technical Means (Electronic Culture: History, Theory, and Practice)

Deep Time of the Media: Toward an Archaeology of Hearing and Seeing by Technical Means (Electronic Culture: History, Theory, and Practice)

ジークフリート・ツィーリンスキー(Siegfried Zielinski)はEuropean Graduate School教授(メディオロジー・技術文化)。プロフィールはこちら。なお同氏の短文「メディア考古学 Media Alchaeology」はここで読むことが出来る。

Jonathan Sterne@McGill Univの2008年秋学期シラバス「サウンド・スタディーズ」

こちら(pdfファイルです)。文献リストのみならず、評価方法等ふくめ参考になる。
なおこちらから、同授業の過去のシラバス、および同氏担当の他の授業のシラバスへも、網羅的にリンクされている。

マイク不在のマイク?

三洋、"耳での会話"を可能にする第2世代イヤホンマイクLSIを開発

「イヤホンだけで通話が可能となる"イヤホンマイク"を実現する「イヤホンマイク用LSI」」とのこと。サンプル価格は800円。
Blurtoothヘッドセットへの組み込みを想定しており、すでに製品にも組み込まれているらしい

旧来的な「マイクらしさ」の不在を、複数の身体はどう受容するのか、あるいは受容しないのか。登場時点において「新奇」な聴覚的デバイスの数々ーー市場で成功したものも淘汰されたものも含めーーの歴史を、ユーザ・インターフェース研究とイノヴェーション論とをクロスさせつつ辿ってゆくことは、それなりに興味深いメディア史記述たりうると思われるが、どうだろう。

参考(やや古いけど):
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
イノベーション・マネジメント入門―マネジメント・テキスト

Timothy Lenoir@Duke Univの2007年シラバス「ニューメディアの批判的研究」

こちら。5週目「ソフトウェアは存在しない」で、Kittlerと並んでSterneが課題図書に挙っている。
なお、カナ表記では「ルノアー」が標準的らしい。簡単なバイオはこちら