アラン・D・ブラムラインによるステレオ録音

レコード盤へのステレオ録音を、のちの商品化に四半世紀先駆けて開発した英国のエンジニア、アラン・ダウアー・ブラムライン(Alan Dower Blumlein, 1903-1942)による試験的ステレオ録音の音源が、大英図書館のウェブサイトにアップされています。特許取得と同じ1933年の録音です。実験の様子がぐんぐん伝わってきてかなり興奮しますよ。
Alan Blumlein recordings - Radio and sound recording history | British Library - Sounds

もちろんこれは、「効果」の追体験であると同時に、いまは亡き天才エンジニアの生前の声の記録でもあり、その点でも貴重でしょう(軍事研究のさなか、1942年没)。たとえばこの試験録音では、ブラムライン自身が喋りながらステレオ・マイクの前を歩く様子が捉えられています。スピーカーの外側までブラムラインの声の音像がきれいに移動してゆくさまは、想像以上のリアリティです。

ブラムラインの伝記はいくつか書かれていますが、以下のものが入手しやすいです。

The Inventor of Stereo

The Inventor of Stereo


などと、数年振りにしれっと更新してみる。